遺言書
遺言について
遺言書に相続分の指定や財産の処分方法を書き記し、死亡により効力が発生します。
遺言で定められることは、相続や財産処分に関すること、認知などの身分に関すること、遺言の執行に関すること、祭祀に関することなど法定事項として法的な拘束力を受けます。
法定相続分で財産を分ける場合には必要性を感じられないでしょうが、自身亡き後には思わぬことが起こりうる可能性もあります。
例えば、夫と妻、長男の3人家族で、夫が病気により昏睡状態に陥っているときに長男が交通事故で亡くなってしまい、その後夫も亡くなったケースでは、夫に兄弟がいたため、妻が全ての財産を相続することができませんでした。
離婚などで別れた子供に財産を多く残したいが相続人同士の争いを避けたい場合や、籍は入れていないが長年連れ添った内縁の妻に財産を渡したいなどの想いがあれば遺言書を残さなければ想いを果たせません。
遺言書は人生最後の自分の意思表示となり、残された方も想いを受けることができるものだと考えます。
遺言書は様々な種類があるため、ここでは代表的な遺言書について説明します。
自筆証書遺言
一般的に作成されている遺言で、誰にも知られずに遺言の内容を決めることができます。
ただし、自筆で書くことや日付を明記することなど法律上の決まりがあり、せっかく作成したのに無効になる遺言書も多く存在します。
また、相続人は発見した遺言書を開封することなく、裁判所へ遺言書の検認手続の申立をしなければなりません。この検認手続を怠った遺言書では、相続登記や銀行の口座解約などの手続を進めることはできません。
自筆証書遺言保管制度
法務局の指定様式に従って、自筆で作成した遺言書を法務局で保管することができます。
遺言者が亡くなってから、利害関係人が法務局へ請求すると、遺言を保管してあることの通知が相続人へ行われます。また費用もわずかで裁判所の検認手続も不要です。
しかし、法務局では遺言書保管のための形式的な審査を受けるだけで、遺言の内容が法律上有効か無効かまでは判断されません。また必ず本人が法務局へ行かなければなりません。
公正証書遺言
公証役場で2人の証人が立会し、公証人が遺言者の前で遺言の内容を読上げて作成します。
公正証書の作成日までに、司法書士と公証人が内容を精査して進めていくので、法的に無効になる事はほぼありません。
作成された遺言は公証役場でも保管されるため、遺言者の死亡後は全国の公証役場で遺言が作成されているか調べることができます。
公証役場へ支払う手数料は、財産の額に応じて加算されます。
また公証役場にも寄りますが、作成までの日数が必要なこともあります。
その他の遺言
遺言者の死期が迫っているときに病院や自宅などで作成する危急時遺言や、船舶の遭難時などに作成する隔絶地遺言など、様々な種類の遺言の方式がありますが、遺言の作成については全て法律で要件が定まっています。
緊急の場合などはご相談ください。
一般的な遺言作成フローをご参照ください。
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